投資信託の分配金とは

投資信託には「分配金」という仕組みがあります。

投資信託を保有している間でも資産が増加した分(利益)の一部を還元しようというものです。

投資信託が年に最低1回以上決算を行ない、利益の中から投資家に還元する金額を決定します。

投資信託により分配金の割合は異なり、必ず分配金が出るわけではありません。充分な利益がない、分配金を出すために保有する株や債券を今売却すべきでないと判断されれば、分配金が支払われない場合もあります。

分配金を出す回数もファンドにより様々です。はじめに「毎月分配」を見ると、毎月一定額の分配金を払う「定額型」と、その時々の運用成績に応じて金額が決まる「バラバラ型」があります。

「定額型」は比較的安定している債券の利息を分配金にする投資信託が多く見られます。

「四半期ボーナス型」は、四半期ごとに、ボーナス分配を加えて出すタイプです。毎月の分配金は、高配当株の配当やリートの利息などの収入を中心に出し、値上がり益がある場合にボーナス分配をする投資信託が多いようです。

分配金が支払われると、その分を分配せずに投資を継続していた場合と比べ、複利効果がなくなってしまいます。

これから長期的に投資する若い人は、複利効果の高い、分配金の出ない投資信託を選ぶと良いでしょう。

年金生活者の60代以降の人は、毎月分配金を受け取って、生活費に充てるというのが現実的と言えます。

一様に分配型は運用効率が悪いと決めつけずに、各々の年齢、二ーズに合わせて考えましょう。

分配型は、複利効果が薄いという弱点がありますが、相場環境が悪化した場合には状況は逆転します。

基準価額がともに1万円だった分配金なしの投資信託と分配金がある投資信託が、運用成績によってどうなるかを比較してみますと、相場は、最初の2年が30%上昇、3年目が10%下落、4年目と5年目が20%の下落と仮定しますと、相場環境がよかった2年後の時点では、分配金なしの投資信託は基準価額が1万6900円にまで上昇します。

一方で分配金が出る投信は、分配金の額を加味しても1万5500円にしかなりません。

ところが、その後下げ局面が3年間続くと、分配金がない投資信託は元本割れ、分配金が出る投資信託は、分配金を加味すると1万836円となるのです。

分配型は、上昇相場での大きな値上がりは期待できませんが、下落局面では、先に利益を確定して分配金を受け取る分だけ、その後の値下がりリスクを軽減するというメリットがあるのです。