投資信託など金融商品の販売・勧誘ルールを厳格化

投資信託などで、投資家保護の徹底を目指す金融商品取引法が9月30日に完全に施行されます。金融商品取引法は投資信託外貨預金などの元本割れの恐れのある金融商品の販売や勧誘のルールを厳格にしています。金融商品取引法は広告宣伝の規制も導入しています。金融商品取引法は金融機関に不備があった場合には、行政処分の対象となります。金融商品取引法の施行に当たって一部の金融機関は準備が間に合わずに、金融商品の販売を自粛するなどしています。

金融商品取引法証券取引法金融先物取引法などを一本化したものですが、機関投資家などのプロに対しては説明の手続きの簡略化を認めていますし、時間を争う金融取引の活性化を図っています。その一方、個人投資家は投資信託などの知識や経験が乏しいため、個人投資家を保護するために、一般向けの投資信託などの販売や勧誘行為の規制を強化しています。例えば、金融機関が顧客の知識や経験、投資目的に合わない商品の販売や勧誘が禁じられていますし、契約締結の前には書面できちんと元本割れリスクなどを充分な説明したうえで販売するなどの義務が課せられています。

投資信託などの販売では、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行では顧客の年齢や職業、年収、投資の経験度合い、「元本割れは避けたい」「値上がり益を重視」といった投資にたいする方針などを確認するチェックシートを作成して、顧客のリスク許容度などに応じた投資信託の商品を勧める方針です。三井住友銀行は昨年11月から本店や支店の販売担当者約1万2000人を対象に金融商品取引法の研修会を開き、行員資格制度を設けて、金融商品取引法や投資信託などの金融商品の内容を正しく理解した合格者が投資信託などの販売を担当するようにしています。りそな銀行は約50種類の投資信託商品ごとに元本割れするリスクなどを記載した書類を用意して、各項目に「理解した」「理解できない点があった」というチェック欄を設けて、顧客がすべての項目で「理解した」を選んだうえで、署名していただいたものだけを販売することに決めています。

金融商品取引法は金融機関に対して様々な金融商品販売の対応を迫っていますが、金融各社の試行錯誤によって顧客とって一番よい選択方法が構築されていくように思われます。