投資信託「エコファンド」がブームに

日興エコファンド
投資信託「エコファンド」が環境をテーマとしてブームとなっている。2007年7月に野村証券が「DWS地球温暖化対策関連株投信」を、2007年8月に日興コーディアル証券が「UBS地球温暖化対応関連株ファンド・クールアース」を、それぞれ1000億円台の規模の大型な投資信託として販売を開始しました。環境の問題は、主要国の首脳会議サミットでも重要なテーマとなっており、エコファンドブームの背景には環境への社会的な関心の深さがあります。

エコファンドが人気があるのは、環境の問題は世界的な課題で優れた技術を持っている企業は、将来の成長性も期待できるためです。もう一つの理由としましては、一般家庭でも、環境対策に関心のある人が多く、環境保全や温暖化対策について、一般の投資家に訴えやすい点もあります。

エコファンドといいますのは、日本国内では1999年に「日興エコファンド」最初に販売しました。企業のごみの分別や室温の適正な管理など社内での環境対策を積極的に進めたり、世界的な環境保全事業を手掛けている企業の株式などを運用の対象としている投資信託です。ここ数カ月では「地球温暖化」をうたった投資信託が急速に増えており、現在では約30本ほどが設定されていまして、資産残高も総額で5000億円を超えているといわれています。

日興のクールアースでは、省エネ家電製品の開発、太陽光や地熱発電技術、温暖化ガスの回収や貯留技術などの優れた企業の株式に投資しています。
新光投資信託は2007年7月に、ハイブリッド技術で世界のトップレベルの技術を持っているトヨタ自動車や化石燃料の使用効率を上げる技術を持っている企業などを投資の対象とした「地球温暖化防止関連株ファンド・地球力2」を設定し、すでに日本国内の証券会社や地方銀行などが販売しています。

野村の地球温暖化対策関連株投資信託は、既に募集が終わってしまっていますが、約1500億円の資金を集めました。風力発電をはじめ環境負担の少ない電気や燃料を作り出す技術の「クリーン・テクノロジー」で世界的な企業や、効率的なエネルギー利用を促進する省エネ技術を持っている企業の株式を組み入れているのが特徴です。

投資信託にあまり関心がなかった一般の人も環境という身近なテーマの投資信託が提供されることで、投資信託を買うきっかけになってきているようです。注意点としましては、一つのテーマに絞った投資信託は、投資先が限定されるためにリスク分散がしにくく、広範囲の銘柄を投資の対象としている一般の投資信託より、リスクが高くなってしまう点です。